普及啓発事業:栃木県でのクマ授業の実施
栃木県でのクマ授業の実施
(関東地区・長野地区の合同活動)
関東地区の教材開発と活動展開の足がかりとして、すでにクマ活動の実績がある長野地区メンバーの協力のもと、1月16日に栃木県塩谷町の学校でクマ授業を実施しました。関東地区メンバーの丸山哲也氏(栃木県自然環境課)の協力で、クマ授業の実施を希望する小学校を探し、実施までの学校との連絡調整を担っていただき、クマの出没する地域の学校で授業をおこなうことができました。
【実施内容】
2009年1月16日、宇都宮より電車で1時間ほど余り、塩谷町にある船生(ふにゅう)小学校にJBN会員5名が出向きました。栃木県は過去に盛んだった林業が衰退し、現在は大手製造企業の工業団地が県内に広がっていますが、りんごや家畜の飼料作物であるとうもろこしなどの農産物生産は依然として盛んであり、ツキノワグマの出没により農業被害も出ているとのことです。
先生方や栃木県職員、森林組合の皆さんが見守る中、長野県のJBN会員、濱口あかりさんによる動物クイズがスタート。溌剌とした濱口さんのトークとスクリーンに次々と映し出される貴重な写真の数々に、全校生徒総勢50名あまりの子供たちは身を乗り出し、適宜、投げかけられる質問にも元気よく手をあげて答えていました。たぬきをレ–サーパンダと答えた子供も中にはいましたが、豊かな自然に恵まれた地域で暮らしているためか、野生動物への関心が高く、また知識も予想以上に豊富でした。
次にツキノワグマの頭骨や糞、足跡などを子供たちに回覧し、基本知識を伝えたところで、クマとの遭遇を回避する方法、万が一、遭遇した場合の対処方法などを丁寧に説明。授業も中盤に差し掛かる頃、クマの着ぐるみ(JBN会員の中下留美子さん)が登場し、子供たちを喜ばさせました。クマが遠くにいる場合、突然、遭遇した場合、コグマに出会った場合など、想定されるいくつかのケースごとに子供とクマによるロールプレイが展開。クマに向かって歩いて“く子供、静かに後ずさりする子供などそれぞれにクマが巧みに対応し、クマの一挙一動に子供たちは声をあげ、楽しみながら正しい知識を身につけたようです。
【実施後ふりかえり】
(良かった点)
・身近であるけれど気づかれていない動物の存在を、子ども達が授業の前よりも身近に感じてくれている気がしました。
・特に動物の写真などでは、興味をもって答えてくれる児童が多く、足跡や糞なども、今後の参考にしてくれればと思います。
・感想文で、“今までこういう授業をしたことがなかったから、楽しかった。”という内容が多く寄せられたことから、知りたいという思いは垣間見ることができた気がします。
・教師の方たちも自分達の知らない動物が身近に居たなど興味を持ってくれることで、授業により身近な自然に目を向ける内容が盛り込まれることを期待します。
(今後の課題、必要なもの・事など)
・1時間(小学校だと45分)の中で、いろいろな知識を盛り込むことは難しい。
・何度かに分けて伝えるか、伝え切れなかった部分はワークシートや、配布物で補っていく必要があります。
・口頭で伝えることと、読んで理解してもらうことを分ける事で、より伝えたいことを印象付けることができるかもしれない。
・関東地区のクマ授業の展開は、クマの出没する地域に住む子供と、クマの出没しない都心の子供のクマや野生動物に対する基礎知識や興味のレベルが大きく異なると思われます。コンテンツ開発には、この点を考慮する必要があります。
・クマが出没する地域でのクマ授業の実施にあたっては、その地域を理解する人を通じて、ニーズのある場所を探すことが重要。教育キットの内容充実だけでなく、クマ授業を実施する場所や、ベア・トランクの貸し出し先など、クマ教育ニーズの掘り起こしが、関東地区の今後の課題です。