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0312-岩手県 アーカイブ

2008年11月12日

地域支援事業:岩手県

岩手県:藤村正樹

目的
岩手県盛岡市で実施されている官学民によるクマ被害対策活動への支援。

方法
ツキノワグマによる被害が毎年発生し、複数のクマが有害駆除で捕殺されている盛岡市猪去地区の自治会では、岩手大学の教授、学生、盛岡市動物公園公社の獣医師、盛岡市の担当者、猟友会関係者からの支援を受け、平成19年度からクマ被害対策に取り組んでいる。本支援事業では、猪去地区自治会が実施しているクマ被害対策において、不足している資材を提供し、さらに10月に予定されている地域の集まりにおいて、専門家や学生による発表を中心としたミニシンポジウムを開催することにより、被害農家が自ら取り組んでいるクマ被害対策の継続とさらなる促進を、物心両面から支援する。
実施主体は(自立を促すためにも)盛岡市猪去地区自治会とし、日本クマネットワーク、岩手大学、盛岡市、盛岡市動物園公社、盛岡市猟友会のそれぞれの関係者は、自治会をサポートする形式とする。

期待される成果
多数の外部者(主に学生)が無償のボランティアで、被害農家の畑やりんご園周辺の藪や草を刈り払いし、電気柵の設置を手伝うことにより次の成果が期待できる。

(1)学生ボランティアに触発され、被害農家にクマ被害対策への自立心が芽生え、地域での共同作業(連帯)が促進されることが期待できる。

(2)被害農家にとって、自分たちの息子や孫と同じ世代の多数の学生が地域に入り、地域住民と共同で汗を流す(地元民と交流)ことにより、被害農家特有の疎外感が払拭され、さらに地域住民に活力が蘇ることも期待される。

(3)(既に設置されている)電機柵の設置距離を延長することにより,対策実施農地へのクマによる農地侵入件数及び被害面積は大きく減少することが見込まれる。

(4)市役所の担当者や被害農家、猟友会会員は,簡便な電機柵設置と草刈により出没及び被害が軽減することを実感でき,また周辺農家への普及促進が期待される。さらに、当該地区の被害対策の取り組みがモデル事業となり、盛岡市内の他の地域への普及促進も期待される。

(5)被害農家を含む地域住民の、クマ学術調査に対する理解と協力を得られることが期待できる。さらに、研究者や学生、市の担当者、猟友会関係者が共同作業を継続的に実施し、コミュニケーションを円滑にすることにより、地域の自治会を中心とした官学民ネットワークが形成され、ツキノワグマに対しての地域住民の正しい知識と理解が深められことが見込まれる。

(6)1〜5の結果、当該地域での人とクマとの軋轢が減少し、有害捕獲によるツキノワグマの捕殺も減少することが期待される。

スケジュール:7-9月  草刈・藪払い・電機柵設置
         10月  発表会・ミニシンポジウム

2008年12月09日

事業報告:岩手県

経過
7月19日 平成20年度第2回草刈、電柵設置
8月17日 電柵資材受け渡し
9月6日 平成20年度第3回草刈、電柵設置
9月10日 草刈鎌受け渡し
10月19日 「猪去の里祭」で岩手大学ツキノワグマ研究会が日頃の成果を発表

感想
7月と9月に実施された地域支援の草刈、電柵設置の活動に参加する。地元のリンゴ農家多数と岩手大学の学生多数、盛岡市の職員、岩手県猟友会関係者などが活動に参加。午前中共に汗を流す。
特に7月は作業終了後に、地元の農家が焼き肉会を開き、参加者(特に学生たち)の労をねぎらう。9月の時は、地元で収穫したばかりのリンゴが、参加者にくばられた。

10月19日 「猪去の里祭」が猪去振興センター及び農村公園で開かれ、岩手大学ツキノワグマ研究会の学生が多数参加(招待され、昼食をふるまわれた)し、行事を地元の人たちと一緒に楽しむ。
午後は猪去振興センター(地域公民館)でクマのミニシンポジウムが開かれ、盛岡市の担当者から猪去地区で続けられている、地域支援事業についての経緯が説明され、その後岩手大学ツキノワグマ研究会の学生による発表が2つなされた。また、岩大クマ研顧問の青井俊樹さん(岩手大学教授)がコメンテーターを務めた。会場には入りきらないほどの参加者(主に地元の住民)があり、発表会はとても盛況だった。
盛岡市猪去地区は岩手大学ツキノワグマ研究会の調査フィールドの一つであり、この地域のりんご園などで捕獲されたクマに発信器を装着して放獣し、その生態や行動域の調査を行ったり、被害のハザードマップの作成や、糞分析による植生の調査などを行っている。

猪去地区の農家の人たちと、岩手大学の学生、盛岡市の関係は、現時点ではとても良好であると感じた。民学官を中心としたこの良好な関係が今後も継続することと、それによる成果と他の地域への波及に期待したい。

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【9月6日 平成20年度第3回草刈、電柵設置に励む岩手大学の学生たち】
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【盛岡市大田地区自治会に贈呈した草刈鎌20本】


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【10月19日に地元で開かれた祭のポスター】

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【岩手大学ツキノワグマ研究会の学生による発表01】

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【岩手大学ツキノワグマ研究会の学生による発表02】