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事業報告:兵庫

地域に根差したツキノワグマ対策を目指した取り組み方法の確立 ―地域住民による有害個体の集落接近モニタリングとクマ学習指導者の育成―
担当:横山真弓(兵庫県立大学/森林動物研究センター)

<目的>
出没多発地域において、3,4集落の住民に受信機を貸出し、学習放獣した個体が自分の集落や周辺集落に接近しているかどうかをモニタリングできる体制整備を目的とした。また、ツキノワグマの多く生息する地域にある野外教育施設の3施設と連携し、ツキノワグマを素材にした環境教育指導者を育成し、ツキノワグマの生息する生物多様性豊かな自然を体験する仕組みづくりを行うことを目的としました。

<2008年度実施内容>

1.接近状況のモニタリング方法(追跡)の指導
2008年度に習得した2名のアフターフォローと新たな追跡者2名に対しての技術支援と情報交換を行った。


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2008年度からの継続追跡者

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2009年度からの新規追跡者

本年度の兵庫県は、堅果類が豊作であったため、有害捕獲で放獣される個体がこの地域でなく、また昨年度からの個体についてもほとんど出没がなかった。そのため、電波をキャッチできる機会は極めて少なかったが、4名の地元追跡者の育成と連携の仕組みがほぼ確立した。来年度は大量出没が予測される年であるため、来年にむけた準備も継続中である。

2.クマ学習指導者の育成 
3つの野外教育施設とツキノワグマの調査研究に携わる調査グループ、さらには昨年実施した学習会の参加者と連携し、ツキノワグマを素材にした環境教育プログラムについての議論を重ね、プログラムの内容の検討を行った。またプログラムのロゴとツキノワグマパンフレットの作成を行った。現在プログラムの一つを制作中である。


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クマ学習指導者対象のセミナーの開催

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プログラム作り

「そらプロジェクト」ロゴマーク (そらプロジェクト趣旨)人慣れの著しい2歳のメスグマが、植物園やキャンプ場などに姿を見せ、学習放獣や施設職員の懸命な追い払いのかいもなく繰り返し出没し、最後には捕殺された。このクマは、観光客が多い植物園の木道に座り込み、ザゼンソウを食べるなど人を全く警戒しないクマだった。この場所は兵庫県香美町の兎和野(うわの)高原。そこで付いた名前が「ウワノソラ」。追い払いするものから、「ソラちゃん」と呼ばれ、山で行動するようになってくれることを願いながら、ひたすら追い払いが行われた。しかし、このクマには人間の追い払いすら全く恐れるものではなかった。対応したすべての人たちが悔しさと悲しさをこらえながら、最後をみとった。このクマと人との関係から私たちは学ばなければならない。 
 

教育普及用パンフレット
(1月下旬に完成予定)